”離反者も国税のやり方を批判”
パワフルコスモメイトは神道系の宗教団体で、昭和59年に発足、現在会員は約2万3千人。静岡県田方郡大仁町に皇大神社を建立し、皇大神社の名称で宗教法人認証の申請を準備中である。
教祖の深見氏は、43歳。各宗教団体で研鑚を積んだ後、昭和52年に“生涯の師”霊能力者の橘カオル女史と出会って、本格的な宗教活動に入った。著書も『強運』(40万部)など多数有り、わが国の伝統宗教である神道を現代に生かすことを目的に、活動を展開。“常に庶民とともに、時代とともに生きるのが真の宗教”との観点から作曲、作詞、声楽、指揮、舞踊、和歌、書など芸術文化を極める姿勢をも貫いている。
ところで、そもそも国税が捜査に入る経緯を作ったのは、本誌2月号(「コスモメイト訴訟劇にみる原告たち『正体』」)で報じた教団を離脱した元幹部たちが、国税に持ち込んだことによるのではないか、と推測されるのだ。
ところが、深見青山氏が記者会見した9月5日、離脱した元幹部らは次のような声明を出して「内部紛争の終結」を宣言したのである。「私たちは、かつてともに宗教団体コスモメイト(現パワフルコスモメイト)に所属しておりました。昨年、組織内部において、教祖深見青山氏をめぐる様々な問題から、あるものは組織を追われ、あるものは辞職に追いやられました。そして、その際に、一部のものがコスモメイトは世に問われるものとの信念のもと、いくつかの内部資料を持ち出しました。これらの資料の一部は、マスコミ関係者の手にわたり、また、他の一部は昨年末のコスモメイトに対する国税局の査察の捜査の際に任意提出されたものです。しかし、私たちの信念に基づいた行為ではありましたが、その後引き起こされた事態により、予期せぬ人々を圧迫し、傷つける事態におちいり、深く反省するに至りました。(中略)
この上は、私たちも信念上のこととはいえ、不法な形で持ち出した資料を所有者であるパワフルコスモメイトに返却するのが道理であると思われます。また、国税当局の質問顛末書において述べたことなどでも、当時の一時の感情から、いきおい誤って言い述べたものであり、是正または取り下げすべきものであると思われます」
なにやら、告発した本人達が国税のやり方に問題があると言っているのである。となると、国税の姿勢が問われることとなってくる。
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