信憑性一割未満の記事で「激震スクープ」といえるか
まず、『サンデー毎日』が「コスモメイト」を「批判」するにあたって、どのような大義名分を立てているか、それをみてみよう。「徹底追及!第一弾」の文末にはつぎのようにある。
《本誌はこれまで、オウム真理教や幸福の科学、本覚寺など、宗教団体のさまざまな間題を取り上げてきた。
ワラをもすがる思いで神仏を信じ、なけなしのカネをむしり取られてきた市民、宗教法人に対する優遇税制の陰で、捻出される巨大な裏金……。
そこにはバブル経済に浮かれ、札束で頬を叩いて土地や株、美術品を買いあさった後、今度は悩める心の救済までカネで買おうとする姿勢がチラチラする。そして、それに群がる闇の紳士たち。本誌は、すでに世の中に蔓延している「心、をカネで買う時代」を、徹底追及したい。》
なるほど、《なけなしのカネをむしり取られてきた市民》に同情し、不正をはたらく《宗教法人》や《闇の紳士たち》によって《世の中に蔓延している「心をカネで買う時代」を、徹底追及》する企画の最初のターゲットとして「コスモメイト」を選んだということらしいが、なぜ「コスモメイト」を選び、なぜ徹底追求しなければならないのか。
たしかに、『サンデー毎日』の記事をそのまま鵜呑みにして読めば、《深見青
山教祖》は《まるで暴力団》で《カネ儲けのこととなると抜群に頭が働く》とんでもない人物ということになる。
しかし、この記事、じつのところ九割以上信用できないといっていい。リードの文を含め本文五一○行中信頼できるのはわずか四四行しかないのだ。つまり約七%しか信愚性がないのである。
なぜかといえば、「コスモメイト」の概略について記した二二行、解雇された職員が組合をつくったという事実を記した四行、そして「コスモメイト」広報担当者のコメント部分十八行、以上合計四四行以外は、すべて怪文書と匿名人物たちによる「コスモメイト」批判のコメントで成り立っているからである。匿名でしか発言しないということは、発言に対する責任を回避しているということにほかならない。そのような無責任な発言で構成した記事を、どうしたら信用できるというのか。信用などできるわけがないではないか。
しかも、本文冒頭に紹介された怪文書は「コスモメイト」職員をみずから辞職したにもかかわらず組合に参加した人物たちによるものであるという。
すなわち、『サンデー毎日』の記事は、意図的にリークされた情報にもとづいて創られたものと考えることもできるのだ。
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