“陰謀集団”罠にはまった教団” M氏は何を目的に分派活動を展開したのか。
「要するに教団の乗っ取り。いくつかの教団を渡り歩きながら、ガードの甘い教団を捜していた。その時、急成長を続けていたコスモメイトに出会って、千載一遇のチャンスと思ったのでしょうね。言葉巧みに教団の主催者である深見さんや教祖とされる橘カオルさんに近づいた」(コスモメイトに詳しいジャーナリスト)
この時、橘教祖は「あの人は駄目よ」毛嫌いしたらしいが、深見さんは鷹揚というか、来るもの拒まずという姿勢の人だから、まあいいか、と幹部に据えてしまった」(前出のジャーナリスト)
有力会員はこうもいう。
「全てが神の意志に基づく“神社組”として捉えていますから、内部に妙な人間がいても、これまた神の御意志と考える。現場のスタッフは歯がゆい思いをしたようですが、逆にいえば、この神に対する崇敬の念がコスモメイトの魅力なんですよ」
M氏はまんまとそこにつけいったというわけだ。身長百六十センチほど、どういうわけか左手の小指の先がないこの人物の武器は、あのダウンタウンのハマちゃんに似た笑顔と弁舌の巧みさ。組織拡大の前線司令官とマスコミ担当を兼務、教団内で地歩を築きつつ乗っ取りを謀るとはなかなかのタマだが、やがてその正体が暴かれる時がきた。
左の私信をうかつにも支部の一室に残すというドジを踏んだのである。
「丘叡大人
M拝
組合が立ち上がり、女性陣の立ち上がりまで時間をつなげる予定です。何から何までお世話になりますが、今後ともご指導賜わりますよう改めてお願い申し上げます。またご連絡します。」(本誌平成5年7月号)
丘叡なる人物は定かではないが、前後関係からマスコミ関係者と読みとれる。要するに、マスコミにコスモメイトにまつわる悪評を売り込み組織を攪乱、自らは一派の首魁となるという魂胆。
この陰謀を知った教団はM氏を訪問、辞職に追いやり、同時にM氏を信奉する連中の解雇に踏み切ったが、これがとんだ罠にはまる結果となった。
「この時、スタッフ(従業員)の中で仕事をしない連中も一緒にやめさせたのが大失敗。M派と怠業癖のある連中が手を組み組合を結成、連合の下部組織に支援を依頼した」(有力会員)
結果は神奈川新聞記事の後段にあるとおり、教団はまんまと六千万円に及ぶ解決金を払わされる羽目になってしまったのだ。
当時を振り返って幹部会員はいう。
「深見さんは『いいよ、いいよ、これで彼らの再就職がスムーズにいけばいいんだから』といっていました。そんな人の好いことでどうするとは思ったんですがねえ」
そして、お人よしのツケが回ってきた。M氏の丘叡氏に対する私言の中にある「女性陣の立ち上がり」が今回報道されたセクハラ訴訟である。
「Mさんは自分の周りに親衛隊あるいはハーレムのようなものを形成していた。セクハラの原告、OとYがハーレムに属していたかは不明だが、少なくともYにはMさんに対して結婚願望があった。そのことは会員内で衆知の事実。したがって、彼女たちを操ることはきわめて容易でしょうよ」(事情を知るスタッフ)
さすがハマちゃんいやM氏。一昨年、御歳50歳にして29歳の女性(Yとは別人)と結婚。それも六度目の結婚というのだから、あやかりたいものだが、「その新婚家族をほっぽって、他の女性と潜行中」との情報もある。いや、潜行ではない。現在彼は、イオン水製造器の実演販売のため、各地のスーパーに出没しているのを目撃されている。
「それも、コスモメイト本部に近いスーパーにいたりするんですから何を考えているのやら」(目撃したコスモメイト関係者)
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